悪性リンパ腫

悪性リンパ腫とは?

悪性リンパ腫とは血液中や、リンパ組織を構成するリンパ節、脾臓(ひぞう)、扁桃(へんとう)などに存在するリンパ球ががん化する病気です。

悪性リンパ腫にはいくつかの種類があり、それは病理組織学的な観点と、進行のスピードによって分類されます。病理組織学的な分類は、大きく分けてホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の2つがあり、ホジキンリンパ腫は日本では全悪性リンパ腫中の約5%程であり、これは欧米人での約1/10にあたり、人種間格差に高い傾向が認められます。

また、非ホジキンリンパ腫の場合はその悪性度が大きく治癒率に反映され、治療計画を選択するために病理組織診断が大変重要となります。また、進行のスピードでは、低悪性度(年単位で進行)、中悪性度(月単位で進行)、高悪性度(週単位で進行)の3つのタイプに分けられ、低悪性度の場合は有病生存者が多いながらも治癒率が低いことが問題とされています。

種類

ホジキンリンパ腫は、日本では全悪性リンパ腫中の約5%程であり、これは欧米人での約1/10にあたり、人種間格差に高い傾向が認められます。
非ホジキンリンパ腫では、
低悪性度(年単位で進行):濾胞性リンパ腫、MALTリンパ腫、小細胞性リンパ腫、形質細胞性リンパ腫、菌状息肉腫
中悪性度(月単位で進行):びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、未分化大細胞型リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫末梢T細胞リンパ腫、血管免疫芽球型、鼻型NK/T細胞リンパ腫
高悪性度(週単位で進行):リンパ芽球性リンパ腫、成人T細胞白血病・リンパ腫、パーキットリンパ腫
と分類されています。

症状

体表面から始まる場合は頸部、わきの下、足の付け根などのリンパ節が腫れてきたり、しこりができ(ホジキンリンパ腫の80%)ながらも、多くの場合は痛みを伴いません。
一方、非ホジキンリンパ腫は、リンパ節のみならず、全身のあらゆる臓器に発生し、リンパ管や血管を介して容易に体中に転移してしまうことが特徴として挙げられます。

原因

放射線照射、化学物質の被爆などが原因として挙げられています。また、一部の非ホジキンリンパ腫では、EBウイルス感染が関与していると考えられています。

生存率

5年生存率は、ホジキンリンパ腫の場合、Ⅰ期90%、Ⅱ期80~90%、Ⅲ期50%~90%、Ⅳ期40~65%、
非ホジキンリンパ腫は、Ⅰ期、Ⅱ期70~90%、Ⅲ期、Ⅳ期では50%~70%と、若干ホジキンリンパ腫より低くなりますが、それでも他のがんに比べると高い水準を保っています。

再発転移

リンパ系組織は全身を巡っているため、リンパ管や血管を介して容易に体中に転移してしまうことが特徴として挙げられます。

治療

治療は、体表面に発症した場合は放射線治療が多用されています。ただし、進行度Ⅰ期、Ⅱ期に対してのみ有効であり、進行している場合は積極的に抗がん剤治療を行うことで根治を目指します。他のがん腫と比べても抗がん剤への感受性が高く、特に中、高悪性度タイプでかなり高い確率で完全寛解(CR)が得られ、特にリツキサンという抗体薬(抗CD20 抗体)の登場で、治癒率が更に向上しています。
ただ、完全寛解しても5年以上経ってからの再発が少なからずみられ、その場合の予後は極めて悪く、従って、治癒後の長い経過観察が特に必要とされる”がん”と言えます。
また、低悪性度の場合は有病生存者が多いながらも治癒率が低いことが問題とされています。
因みに、免疫療法での兵隊と言える攻撃細胞はリンパ球であり、悪性リンパ腫の患者さまの場合、このリンパ球を治療に用いることについては当然の不安感があると思います。
しかし、免疫細胞療法の主役はTリンパ球、一方の悪性リンパ腫は大抵の場合はBリンパ球ががん化したものであり、悪性リンパ腫への攻撃はTリンパ球が担う訳で、科学的にも決してご心配される必要はありません。
 
当クリニックでは、悪性リンパ腫に対し、主にWT-1ペプチベータをがん抗原として用いる樹状細胞ワクチン療法と活性化Tリンパ球療法を組み合わせる免疫治療が中心となります。