肝臓がん

肝臓がんとは?

肝臓がんには原発性肝がんと転移性肝がんがあります。この項では原発性肝がんのみを取り扱います。B型肝炎・C型肝炎が原因となって原発性肝臓がんを発症するケースが殆どを占めており、肝炎ウィルス感染者が必ずしも肝臓がんを発症するわけでないとは言え、注意深い看視が必要です。

肝臓は「沈黙の臓器」といわれ、特に症状がないまま徐々にがんが進行していきます。そのため、早期発見が難しく、ある程度進行してから初めて症状が現れることもしばしばです。
がんの進行によって腹部のしこりや圧迫感・膨満感・痛みなどが現れて来ます。また、B型肝炎やC型肝炎から肝臓がんになった場合、その治療後の肝臓内他所での再発率が高いこともあり、多くは肝臓内多発がんとも呼べるでしょう。

特にB型、C型肝炎からの肝硬変から発症した肝臓がんは、肝機能が著しく低下している場合が多く、治療自体が更に困難となっているようです。
根治手術後の5年生存率はステージⅠ期で54.6%ですが、術後は放射線治療や抗がん剤治療を行うのが一般的です。また、ステージⅣ期の5年生存率が9.4%と極めて低くなっています。

種類

原発性肝がんは肝細胞がんと胆管細胞がんに分けられ、90%ほどが肝細胞がんです。 肝細胞がんのほとんどは肝硬変を経てのがんになります。

初期症状~末期症状

初期症状はほとんどありません。進行すると、腹部のしこりや圧迫感、腹部の痛み、腹部膨満感などを訴えることがあります。さらに進行すると、がんが自然破裂し、腹部には激痛が走り、血圧低下を伴うこともあります。 また、悪化した肝硬変を伴えば、全身のだるさや食欲不振、黄疸、腹部の膨満感、貧血、皮下や消化管からの出血、吐き気、下血、吐血、皮膚の色素沈着などの症状が現れます。

生存率

術後の5年生存率はステージⅠ期で54.6%、ステージⅡ期は43.1%、ステージⅢ期では24.6%、ステージⅣ期では9.4%です。

再発転移

肝臓がんは再発する確率が高いがんです。元々肝炎ウィルスの保菌者が多いこと、また後天的に慢性肝炎や肝硬変から肝臓がんに進行した場合がほとんどなので手術後の残った肝臓にまったく新しいがんが発症する確率が高いためです。

治療

肝臓がんの治療には腫瘍摘出手術の他、肝動脈を経由しての抗がん剤注入療法、肝動脈塞栓(そくせん)術、ラジオ波による病巣の焼灼術などがあります。がんの進行度と肝機能の状態に合せて治療法を組み合わせることも含め、場合に応じて適切と考えられる治療が選択されます。
尚、腫瘍摘出手術では病巣とその周辺の肝臓自体も併せて切除しますが、肝臓を切除する範囲は病巣の大きさと、肝機能の状態で決めます。当然ながら、肝機能が著しく低下している場合は周辺の正常肝臓組織の摘除を伴う手術は困難となります。一般的には病巣が限られ、大きさが経3㎝以下の場合には局所療法である手術、そして最近になって目覚ましく普及が進んでいるピンポイント照射が可能な放射線治療も選択されています。
しかし、原発性肝臓がんの最も厄介な所は、極めて再発が多いという点です。肝炎ウィルスに感染し、そのウィルスが肝臓に炎症をもたらし、更に肝細胞内に生きて潜在して長時間経過後にがんが発生するのですが、この経過が肝臓の細胞全体に及びます。
従って総ての肝臓細胞ががんの予備軍となって次から次へと“がんの再発”を引き起こすことになり、患者さまにとっては常に次の“再発”への不安にさいなまれることになります。
 
当クリニックでは、最近になって導入した、がん抗原WT-1ペプチベータも用い、当クリニックで独自に開発された樹状細胞ワクチン療法と、肝臓がんへの有効性が欧米で最も信頼されている論文で紹介されている活性化Tリンパ球療法を駆使します。まずは次の再発までの時間を延ばし、更に再発自体を抑え込むことを目指しており、実際に幾人かの患者さまで良好な結果を出しつつあります。