肝臓がん

肝臓がんとは?

肝臓がんには原発性肝がんと転移性肝がんがあります。この項では原発性肝がんのみを取り扱います。B型肝炎・C型肝炎が原因となって原発性肝臓がんを発症するケースが殆どを占めており、肝炎ウィルス感染者が必ずしも肝臓がんを発症するわけでないとは言え、注意深い看視が必要です。
肝臓は「沈黙の臓器」といわれ、特に症状がないまま徐々にがんが進行して行く場合が少なくないようです。

がんが或る程度以上に進行することで、腹部のしこりや圧迫感・膨満感・痛みなどが現れて来ます。特にB型、C型肝炎から肝硬変に至り、そして発症した肝臓がんは、肝機能が著しく低下しているが故に肝機能不全とがんへの治療が並行せざるを得ず、治療自体に困難さが伴うことになります。因みに、がんの根治手術後の5年生存率はステージⅠ期で50%前後とされており、一方、ステージⅣ期の5年生存率は9%と極めて低くなっています。

症状

初期症状は殆どありません。進行すると、腹部のしこりや圧迫感、腹部の痛み、腹部膨満感などを訴えることがあります。さらに進行すると、がんが自然破裂し、腹部には激痛が走り、血圧低下を伴うこともあります。 また、悪化した肝硬変を伴えば、全身のだるさや食欲不振、黄疸、腹部の膨満感、貧血、皮下や消化管からの出血、吐き気、下血、吐血、皮膚の色素沈着などの症状が現れます。

再発転移

肝臓がんは再発する確率が高いがんです。と言っても、ウイルス感染による炎症、もしくはウイルスの遺伝子自体が発がん原因とすれば、手術、血管内治療などで一応がんが治ったとしても新たにがんが発生すると考えるべきで、再発というよりも新たながんの発症の繰り返しということに。

治療

肝臓がんの治療にはがん摘出手術の他、肝動脈を経由しての抗がん剤注入療法、肝動脈塞栓(そくせん)術、ラジオ波による病巣の焼灼術などがあります。がんの進行度と肝機能の状態に合せて治療法を組み合わせることも含め、場合に応じて適切と考えられる治療が選択されます。
尚、がん摘出手術では病巣とその周辺の肝臓自体も併せて切除しますが、肝臓を切除する範囲は病巣の大きさと、肝機能の状態で決めます。当然ながら、肝機能が著しく低下している場合は周辺の正常肝臓組織の摘除を伴う手術は困難となります。一般的には病巣が限られ、大きさが経3㎝以下の場合には局所療法である手術、そして最近になって目覚ましく普及が進んでいるピンポイント照射が可能な放射線治療も選択されています。
しかし、肝臓がんの最も厄介な所は、極めて再発が多いという点です。
当クリニックでは、最近になって導入した、がん抗原WT-1ペプチベータも用い、当クリニックで独自に開発された樹状細胞ワクチン療法と、肝臓がんへの有効性が欧米で最も信頼されている論文で紹介されている活性化Tリンパ球療法を駆使します。まずは次の再発までの時間を延ばし、更に再発自体を抑え込むことを目指しており、実際に幾人かの患者さまで良好な結果を出しています。